呼吸法について
さとう式リンパケアでも呼吸は重要で、筋肉を緩める時には呼吸法を行います。
呼吸運動は、吸息(きゅうそく)と呼息(こそく)の運動で肺胞内の換気を行う行為で、外呼吸とも呼ばれています。
吸息は、外肋間筋(がいろっかんき ん)や横隔膜(おうかくまく)の収縮により、胸腔を拡大して行われ、
呼息は、内肋間筋の収縮、横隔膜の弛緩(しかん)により、胸腔を縮小して行われます。
・胸式呼吸…主に肋間筋のはたらきによります。
・腹式呼吸…主に横隔膜のはたらきによります。
・胸腹式呼吸…胸式呼吸と腹式呼吸を併用した呼吸型。普通はこの型で呼吸しています。
ちなみに胸式、腹式とは、便宜上の名前であり、本来はどちらも胸腹式呼吸です。 通常、人が無意識に行っているのはこの胸腹式呼吸なのです。
欧州物理学者が創始したフェルデンクライスメソッドの指導者の知人は、いたずらに胸と腹にわけて呼吸を指導することや、腹式で胸や肩を動かさない指導を不自然であると述べています。
自然にどちらも滑らかに大きく動いていくのがよいと。
また呼吸法はあらゆる療法で重視され、その数も膨大なものです。
ヨーガや気功など呼吸法を重視するものでも、その流派の数だけ方法があると言われていて全てを網羅することはできませんが、比較的解りやすく、簡単 に出来る方法を一つご紹介します。
A・ワイル著 ナチュラル・メディスンから、要点のまとめ。
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呼吸は精神・身体・気分に強く影響する、呼吸の仕方はいまのままでも、ただ自分の呼吸に注意を向けるだけでも効果的である。
呼吸に 注意を向けるだけでもその間、雑念やストレスから解放される。さらに呼吸を意識的に制御すれば、道具も要らず、どこでもでき、費用もかからない最も効果的 なリラクセーションが得られる。
練習はどんな姿勢で行っても構わないが、背筋をまっすぐに伸ばし床か椅子に座って行うのが良い。
舌の先を上の前歯と裏の歯茎の境 目あたりにつけ練習が終わるまでそのままの形にしておく。これはヨーガの考え方に基づくもので、人体には2種類の気の流れがあり、一つは肯定的・電気的・ 太陽的なエネルギーの流れ、もう一つは否定的・磁気的・太陰(月)的なエネルギーの流れがある。
この2本の流れが舌の先と前歯の背面端にはじまり、そこで 終わる。それを繋げるために舌の先端を接触させて置くのである。こうして気の回路を閉じ、呼吸のエネルギーを消散させず体内に留める事が出来る。
息を吐くときは口から吐き、舌の周りから空気を出すようにする。やり難ければ、唇を少しすぼめて見ると良い。
1. 「フ~ッ」と言う音とともに口から息をすっかり吐き切る
2. 口を閉じ、鼻から静かに息を吸いながら、1から4まで数える
3. 息を止め、止めたまま、心のなかで1から7まで数える
4. 「フ~ッ」という音とともに口から息を吐き切りながら1~8まで数える
5. これを全部で4回繰り返す 常に鼻から息を吸い、口から吐き出す事を忘れないように。
舌の先は指定の位置に置き呼気は吸気の2倍の時間をかけてゆっくり行う。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
この中にも述べられている舌の位置にお気づきの方もいらっしゃると思いますが、この舌の位置は呼吸においてとても大切です。
「舌の先を上の前歯と裏の歯茎の境 目あたりにつける」 これは鼻呼吸をしやすくする舌の位置です。
鼻呼吸を行うことにより、冷気やウイルスを鼻粘膜で防御し、口内の唾液分泌が向上することなどにより、免疫力を高める効果があります。
これが自然とできるように、あによべ体操を行ってから上の呼吸法をすると良いでしょう。 (あいうべでも良いですが、あによべはより改良されたものです。下図参照)
あ・に・よ・べーー と大きく口をあけて声(小さい声でもOK)を出します。
最後のべーーは舌をイラストのようにべろんと下方に出すようにしてしっかりとべーーと言います。
10回くらい繰り返して行いましょう。 一日に何度行っても良いです。このあによべ体操を行った後に、自分の舌の位置を確認してみましょう。
不思議と上記に書いた上顎の前歯と裏の歯茎の境 目あたりに舌が付いている事でしょう。
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